担任をしていると、
「これは何とかしてあげたいな」と強く思うことの一つがあります。
それが、子どもが嘘をつくことです。

しかもこの「嘘」、
学年が上がるほど、どんどん巧妙になります。

でも正直に言います。
担任からすれば、だいたい分かります。

嘘をつく子は、ほぼ同じ子ですし、
周りの子たちの話と辻褄が合わないことがほとんどだからです。

問題なのは、
この「嘘をつく癖」がそのまま放置されてしまうこと。

「嘘つきは泥棒の始まり」とは、
本当によく言ったものだなと、現場にいると感じます。

山田

子どもだから嘘をつくなんて当たり前だと思ったけど…そんなことないの?

サンディ先生

嘘をつくことは誰にだって経験があるでしょう。
しかし、それが嘘をつくことが癖になってほしくない。

嘘について、子どもとしっかりと向き合うことは大切です。


嘘が当たり前になると、子どもはどうなるのか

嘘をつくことが習慣化すると、
その子の中で、こんな考えが当たり前になっていきます。

  • 自分に非があることは、全部嘘でごまかす
  • 自分は悪くない
  • 悪いのは周りや他人

するとどうなるか。

自分の非を認められなくなります。

これは本当に厄介です。
なぜなら、
自分が悪いと認められない人は、成長できないからです。

素直さを失い、
自分を守るために嘘を重ね、
人のせいにするようになる。

ここで、子どもの「人としての成長」は止まります。

だからこそ、
担任としても、親としても、
嘘をつくことはやめさせたい。


結論:嘘をつく子は、あなたに「サイン」を送っています

最初に結論をお伝えします。

嘘をつく子は、あなたにサインを送っています。

そして、
嘘をつかせないために本当に大切なのは、この3つです。

  • 嘘をつく前に、子育てを見直す
  • 嘘をつく必要がないと伝える
  • 嘘をついたときは、叱るより「受け入れる姿勢」を大切にする

嘘は、子どもにとって本来、とても苦しい行為です。
それでも嘘をつくのは、理由があります。


子どもが嘘をつく理由──「嘘の旨味」を知っているから

子どもが嘘をつくのは、
嘘をつくことで得をした経験があるからです。

例えば、

  • 嘘をついたら怒られなかった
  • 嘘をついたら褒められた
  • 嘘をついたら「すごい奴」になれた

この「旨味」を知ってしまうと、
子どもは嘘を選ぶようになります。

でも、よく考えてみてください。

  • 適切に怒られていれば
  • 適切に認められていれば
  • 無理に「すごい奴」になる必要がないと伝えられていれば

嘘をつく必要なんて、ないはずなんです。


嘘は「自分を守るための手段」になっている

嘘をつく子どもは、
嘘で人を困らせたいわけではありません。

自分を守るために、嘘をついている。

そう考えてください。

だからこそ、
嘘を責める前に、まず伝えてほしい言葉があります。

「嘘をつく必要はない」
「ありのままのあなたでいい」
「すごい奴になる必要はない」
「生きているだけで、私たちはうれしい」

これが、すべての大前提です。


「嘘をつかないと認めてもらえない」は最悪のパターン

一番つらいのは、
「嘘をつかないと、親に認めてもらえない」
と子どもが感じているケースです。

こんなに悲しいことはありません。

嘘をつくようになると、
実は子どもの能力の伸びも止まってしまいます。

なぜなら、
頑張らなくても、嘘をつけば「できる自分」になれるから。

でも、それはものすごく苦しい生き方です。


嘘をつき始めたら、まず見直してほしいこと

子どもが嘘をつき始めたとき、
まず考えてほしいのは、これです。

私たちは、感情的に怒っていないか?

はっきり言います。
感情的に怒っている時点で、
それは適切な叱り方ではありません。


「嫌われる勇気」に学ぶ、怒りの正体

名著『嫌われる勇気』には、
こんな言葉があります。

あなたは大声をあげたのです。言葉で説明する手順を面倒に感じ、無抵抗な相手を、より安直な手段で屈服させようとした。その道具として、怒りの感情を使ったのです。

要するに、怒りとは出し入れ可能な「道具」なのです。

「嫌われる勇気」 岸見一郎 古賀史健 著

つまり、
感情的に叱っているとき、
私たちは「正したい」のではなく、
屈服させたいだけなんです。

……とはいえ、
私自身、100%できているかと言われれば、全然です。

人間ですから、感情的になることもあります。

でも大事なのは、
その後に、必ずフォローを入れること。


怒りは、子どもにとって「恐怖」でしかない

何度も言いますが、
子どもにとって、親の怒りは恐怖です。

恐怖で嘘が治ることはありません。
むしろ、嘘はエスカレートします。

だから必要なのは、

  • 怒ることではなく
  • 冷静に
  • 淡々と
  • 大切なことを伝え続けること

子どもを「下」に見る必要はありません。
子どもも、同じ一人の人です。

山田

怒りや恐怖で押さえつける子育ては、どこかでボロが出ますよ。
子どもを見ればなんとなく分かります。
そういう子は子どもらしさや自由な発想が見られないことが多々あります。


嘘がなぜ悪いのか、子ども目線で伝える

子どもは、将来の見通しを持つのが苦手です。
人生経験が少ないから当然です。

だからこそ、
「嘘はダメ」だけで終わらせてはいけません。

「嘘つきは泥棒の始まり」
これ、大人には分かっても、子どもには意味不明です。

なぜ嘘をつくといけないのか。
なぜ泥棒につながるのか。

ここまで、子どもの目線に下げて説明する必要があります。

例えば…

泥棒ってなんで人のものを取っちゃうと思う? 人のものがほしいから。
どうして自分で買わないのか?        お金がないから。
お金がどうしてないのか?          お仕事してないから。
どうしてお仕事してないのか。        分からない。

お仕事は人のためにすること。泥棒さんは自分のことばかり考えて、人のことは考えてないよね。そういう人は自分を守るために嘘をつく。僕はやってません。あの人がやりました。僕は取りたくなかったけどあの人がやれって言ったんだ。僕は悪くない、僕は悪くないと自分が悪いことを認められないと、何でも人のせいにして、悪いことをしてしまうんだよ。だから、自分を守る嘘はついてはいけない。人に迷惑をかけてしまったら、素直にごめんなさい。そして、また同じことをしなければ、立派な大人になれるからね。

としっかり子ども目線まで下げてあげて、どうして嘘が悪いのか伝えることが大切です。


嘘には2種類ある。でも…

嘘には、

  • 自分を守る嘘
  • 人を守る嘘

の2種類があります。

ただし、学校現場では、
人を守る嘘でも叱る場面があります。

友達をかばうことが、
本当に友達のためになるのか。

悪いことを「悪い」と伝えることが、
本当の友達だと、私は子どもに話します。


まとめ

  • 嘘をつくのは、子どもからのサイン
  • まず子育てを見直そう
  • 「ありのままでいい」と伝える
  • 感情的な怒りは逆効果
  • 嘘はいけない理由を、子ども目線で伝える
  • 嘘の旨味を知っているなら、時間はかかる
  • だからこそ、粘り強く向き合う

嘘をつく癖は、
家庭と学校、両方で取り組む必要があります。

一人で抱え込まず、
ぜひ学校の先生にも気軽に相談してください。

一緒に、解決していきましょう。

サンディ&山田

一度言ったら、直るなんて簡単なものじゃありません。
粘り強く、私たちが伝えられることを伝えていく。

きっとあなたの言葉は届いているはずです。