どーも、サンディです!

「ごめんなさい、私が間違えていました」

大人であっても、この一言を口にするのは簡単なことではありませんよね。自分の非を認める瞬間は、誰だって心がチクリと痛むものです。

もし、それがまだ小さな子どもだったら、なおさらではないでしょうか。

学校という社会の中で、多くの子どもたちを見つめてきて、最近つくづく感じることがあります。それは、「友達の間で、一番嫌われてしまう行動」には、ある共通点があるということです。

それは、「嘘をつくこと」や「自分の間違いを認められないこと」。

嘘を嘘で塗り固めてしまい、最終的に引くに引けなくなってもまだ認めない。そんな姿を目にしたとき、周りの子どもたちは少しずつ、その子から離れていってしまいます。

でも、教員として、そして二児の父として、私はその子の行動をただ「悪いことだ」と責める気にはなれないのです。なぜなら、その頑なな態度の裏側には、胸が締め付けられるほどの「あるSOS」が隠されているからです。

今回は、私が1年生の時から見守ってきた子どもたちのエピソードを交えながら、子どもが「自分を偽らず、素直に生きられるようになるための環境づくり」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

高学年になって浮き彫りになる「人間関係のほつれ」

私は以前、1年生の時に担任した子どもたちを、1年間のブランクを挟んで、3年生の時に再び担任する機会がありました。そして現在は、彼らが4年生になり、別の担任の先生のもとで過ごす姿を少し離れたところから見守っています。

低学年から高学年へと移り変わる時期は、子どもたちの人間関係がガラリと複雑になるタイミングです。

そんな中、少し気がかりなAさんという児童がいます。
Aさんは今、クラスの友達からあまり好かれておらず、正直に言って、少し居たたまれない状況になることが増えてきました。

「どうしてそうなってしまったんだろう?」

これまでのAさんの歩みを振り返ってみたとき、決定的な理由が見えてきました。Aさんは、友達の言っていることをどうしても受け入れられず、自分に不利益なことが起きそうになると、つい嘘をついてしまうのです。

1年生の時であれば、「可愛い嘘」や「ちょっとした強がり」で済んでいたかもしれません。周りの友達も、まだ深くは気に留めません。

しかし、4年生、5年生と学年が上がるにつれて、周りの見る目はシビアになっていきます。嘘を指摘されても、「間違えちゃった」と素直に言えず、さらに嘘を重ねてしまうAさんに対して、友達は「あの子とは一緒に遊んでも楽しくない」「信用できない」と、静かに距離を置き始めました。

低学年の頃に小さかった「人間関係のほつれ」が、年齢とともに、修復が難しいほど大きくなってしまっていたのです。

決定的な違いを見せてくれた「Bさん」の存在

その一方で、Aさんとよく似たタイプでありながら、友達と柔らかい関係を築けているBさんという子がいます。

Bさんも、自分の意見を譲らなかったり、友達の意見をなかなか受け入れられなかったりする一面を持っています。そこはAさんとよく似ています。

しかし、Bさんには決定的な違いがありました。
それは、「自分を守るための嘘はつかない」ということです。

Bさんは、自分が間違っていると気づいたとき、あるいは嘘をついてしまいそうになったとき、最後にこう言って笑うことができるのです。

「え、そうなの? 間違えちゃった!」

この一言があるだけで、その場の空気は一気に柔らかくなります。周りの友達も「なんだ、間違いか!」と笑って許してくれます。

自分の間違いを認められる柔らかさ、完璧じゃない自分をそのまま出せる素直さ。

これを持っているかいないかで、子どもたちの人間関係の生きやすさは、180度変わってしまうのです。

なぜ、子どもは嘘で自分を固めてしまうのか?

では、なぜAさんはBさんのように「間違えちゃった」と言えないのでしょうか。

人はなぜ、嘘をつくのか。それは「自分を守るため」です。

怒られたくない
自分の間違いを認めたくない
負けを認めたら、自分の価値がなくなってしまう気がする

嘘をつく子の心の根底にあるのは、意地悪な気持ちではなく、実は「恐怖心」や「傷ついたプライド」です。ありのままの自分を出したら、否定されるのではないか、嫌われるのではないかという強い不安が、彼らに嘘をつかせ、心の鎧(よろい)をガチガチに固めさせてしまうのです。

これは、本人の性格だけの問題ではありません。その子が育ってきた「環境」が大きく影響していることがよくあります。

例えば、厳しすぎる家庭環境のなかで、失敗や間違いを過度に責められて育つと、子どもは防衛本能として「絶対に間違えてはいけない」「嘘をついてでも逃げ切らなければならない」と思うようになります。

かといって、「じゃあ、何でも受け入れて優しく甘やかせばいいのか」というと、決してそういうわけでもありません。

大切なのは、厳しいか優しいかという二元論ではなく、「子どもが子どもらしく、自分自身を表現できているか」という一点に尽きます。

嘘をつかせない環境づくり。家庭でできる「行動の強化」

自分の生き方や関わり方のスタイル(ライフスタイル)は、一度身についてしまうと、子どもが自分ひとりの力で変えるのはとても難しいものです。高学年になればなるほど、こじれた関係を解きほぐすには、じっくりと時間をかけた対話(カウンセリングのような関わり)が必要になります。

だからこそ、できるだけ早い段階から、家庭や学校で「嘘をつかなくてもいい環境」を作ってあげることが何よりも大切です。

そのために、今日から家庭で意識できるシンプルなステップをご紹介します。

  1. 「素直に言えたこと」そのものを全力で褒める
    子どもが何か失敗をして、それを正直に打ち明けてくれたとき。私たちはつい、「なんでそんなことしたの!」と中身を怒ってしまいがちです。
    ですが、まずは中身を横に置いて、「正直に話してくれてありがとう」と、その素直な行動を言葉にして褒めてあげてください。「正直に言えば、頭ごなしに否定されないんだ」という安心感を、繰り返し経験させてあげるのです。
  2. 大人が先に「間違えちゃった」を見せる
    子どもは、大人の姿を本当によく見ています。親が自分の失敗を隠したり、言い訳をしたりしていると、子どももそれを真似します。
    日常のちょっとしたことで構いません。「あ、お母さん間違えちゃった!ごめんね」「お父さん、勘違いしてたわ」と、大人が軽やかに自分の非を認める姿を見せてあげてください。

完璧じゃなくていいんだ、というメッセージが、子どもの心を柔らかくします。

読者のあなたへ。自分に嘘をつかない生き方を

「嘘をついてはいけない」「素直になりなさい」

口で言うのは簡単ですが、子どもにとって、自分の弱さをさらけ出すのは本当に勇気がいることです。

家庭が、その子にとって「制限される場所」ではなく、「自分らしく自分を表現できる場所」であること。
自分の感情に嘘をつかず、素直に生きられる場所であること。

そんな絶対的な安心感(安全基地)が家庭にあれば、子どもは外の社会でわざわざ嘘の鎧をまとう必要がなくなります。失敗しても、「間違えちゃった」と言って、また友達の輪に戻っていくことができます。

子どもをコントロールしようとする手を少し緩めて、ありのままのその子を受け入れる。

今日、お子さんが何か失敗を教えてくれたら、まずは一言、「教えてくれてありがとう」と伝えてみませんか? その小さな一歩が、子どもの未来の人間関係を、優しく守る土台になるはずです。