どーも、サンディです!

「学校で今日、どんなことしたの?」

「……別に。普通」

おうちでお子さんにそう問いかけて、こんな一言で会話が終わってしまった経験はありませんか?

親としては、学校でどんな風に過ごしているのか、ちゃんと勉強についていけているのか、純粋に気になりますよね。でも、子どもから返ってくるのは素っ気ない返事ばかり。

「うちの子、学校の話を全然してくれないんです」と悩まれる保護者の方は、実はとても多いです。

今回は、いつもとは少し趣向を変えて、私たちが学校の「舞台裏」でどんなことを考えて授業を作っているのか、そして、それがご家庭での「ある問いかけ」とどう繋がっているのかについて、お話しさせてください。

結論からお伝えすると、いま学校では**「あえて時間がかかる、非効率な授業」**に挑戦しています。そしてその挑戦を本当の意味で子どもの力に変えるためには、ご家庭での「ちょっとしたサポート」があると、とてもありがたいのです。

すぐ終わる授業を、あえて「45分」かける理由

今の授業スタイルは、一言で言うと「めちゃくちゃ時間がかかるスタイル」です。

昔ながらの授業をイメージしてみてください。先生が黒板の前に立ち、教科書の内容を「これが正解だよ」「やり方はこうだよ」と一斉に教え込む。子どもたちはそれをノートに静かに書き写す。

もし、この「教師が教え込む授業」をしてしまえば、極端な話、10分〜15分で内容は終わります。カリキュラムを消化することだけを考えれば、圧倒的に効率的です。

でも、今はそういう授業づくりをしていません。

私たちが目指しているのは、子どもたち自身が問い(学習課題)を探し、子どもたちの思考のプロセスに沿いながら展開していく授業です。

まずは子どもが一人でじっくりと課題に向き合う「ひとり学び(自力解決)」の時間を取り、それぞれの考えを組み立てます。その後、クラスの仲間と「どうしてそう思ったの?」「私はこう考えたんだけど」と対話を重ねていく。

当然、ものすごく時間がかかります。あちこちで寄り道が起きるし、大人が用意した最短ルートの正解からはみ出すことなんて日常茶飯事です。

では、なぜそんな非効率なことをするのか。

それは、「答えややり方を教えてもらう」だけの経験からは、本当の意味での探究心や問題解決能力は育たないからです。じっくりと遠回りをして、自分の頭で「ああでもない、こうでもない」と悩むプロセスそのものにこそ、子どもが一生モノの生きる力を身につける全てが詰まっています。

子どもを一人の人間として尊重し、その主体性を育てるためには、大人が先回りして正解をコントロールしようとしないこと。これが、今の授業づくりの大前提にあります。

 誰も知らない、教師たちの「泥臭い舞台裏」

少しだけ、私たち教師の裏話もさせてください。

教師という職業は、学校で過ごす時間の約8割を「授業」に費やしています。そして、残りの時間や放課後、頭の中にあるのはいつも「どうすれば子どもたちが分かりやすく、楽しく学べるだろうか」ということです。

先日も各校の研究主任が集まる研修があったのですが、そこでの先生たちの熱量は凄まじいものでした。講話で学んだことから「目指すべき授業」「研究のあり方」を熱心に話し合い、共有しました。

「あの子のあの呟きを、どうやって全体の学びに繋げられただろうか」

「あそこで私が答えを言わずに待ったのは正解だったのか」

毎日毎日、本当に頭を悩ませています。

これだけ毎日授業を重ねていても、本音を言えば、1年間のうちに「うまくいった!良い授業ができた!」と思える瞬間なんて、2〜3回あればいい方です。それくらい、授業という営みは難しく、奥が深いものです。

なぜなら、教室には多様な子どもたちがいるからです。一人ひとり、背景も違えば、物事の捉え方も、思考のスピードも違います。

その凸凹で多様な子どもたちの「個の思考」をしっかりと受け止め、整理し、そこからクラス全体としての「納得解」へとどう導いていくか。先生たちはみんな、正解のない問いに向き合いながら、毎日必死に子どもたちと向き合っています。

すべては、子どもたちが「わかった!」「できた!」という笑顔が見たい一心からです。

ご家庭でできる、最強の「サポート」

学校で先生たちがそれだけの熱量を持って、子どもの「思考のプロセス」を育てる授業をしている。だとしたら、それをご家庭でどう応援し、子どもの力に換えていけるでしょうか。

ここで冒頭の「学校で何したの?」という会話に戻ります。

もし可能であれば、今日からご家庭で、**「1つの教科に絞って、何がわかったかを聞いてみる」**というアプローチを試してみてほしいのです。

国語でも、算数でも、社会でも、何でも構いません。

「今日の算数、どんなことしたの?」と聞き、子どもが話してくれたら、間髪入れずにこう重ねてみてください。

「へえー!それで、その授業で何がわかったの?」

ポイントは、「答え」をクイズのように当てさせるのではなく、子どもが**「学校で何を感じ、どう考えたのか」という振り返りを促すこと**です。

学校で一生懸命に頭を動かしたプロセスを、今度はおうちの人に向けて自分の言葉で話してみる。これを行うだけで、子どもの中での学びの定着率は劇的に変わります。

そして、親子の対話が深まっていくと、子どもからこんな言葉が出ることがあります。

「あ、でも、そういえば何でだろう……」

「今話してて思ったけど、ここがよく分からないかも」

これです。この瞬間のために、私たちはあえて時間のかかる授業をしています。

親子の温かい対話のなかで、子ども自身の中に**「新たな気づきや発見」、あるいは「次への新たな疑問」が生まれる。**

もしご家庭で、お子さんのそんな「あれ?」とか「なるほど!」という瞬間を見つけて、一緒に「おもしろいね」と面白がってあげられたなら、学校の教員としてはこれほど心強く、助かることはありません。

「教えなきゃ」「正しい答えに導かなきゃ」と肩肘を張る必要はまったくないのです。

 学校と家庭の”両輪”で、子どもの「問題解決」を支える

学校では、私たち教師がプロとして、一斉の教え込みを捨てて子どもの思考を全力で引き出す。

家庭では、保護者の皆さんが温かい眼差しで、「何がわかったの?」と子どもの振り返りに耳を傾ける。

一見すると、時間がかかって効率の悪い方法に見えるかもしれません。テストの点数をパッと上げるだけなら、詰め込み教育の方が早いでしょう。

でも、大人になったときに本当に必要なのは、「自分で問いを立て、他者と対話し、納得いくまで考え抜く力」のはずです。

お子さんが学校から帰ってきたら、ぜひ「今日、学校で何の授業したの?」の後に、こう付け加えてみてください。

「へえ、それで今日の○○(教科名)では、何がわかったの?」

その一言が、親子の会話を、そして子どもの学びを深める素敵なキッカケになりますように。