どーも、サンディです!

小学校の教員をしながら、2児の父親として子育てをしています。

この記事を開いてくださったということは、

「夏休み、うちの子の勉強は大丈夫かな?」
「1学期の勉強が、ちゃんと身についているのか心配……」
「宿題を見ていると、思ったよりできていなくて焦る……」

そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、僕自身もそうでした。

しかも、僕は小学校の教員です。

「1年生の学習なら、ある程度分かっているつもり」

そう思っていたのに、いざ自分の息子の宿題を開いてみると、

「……全然、定着してないじゃん。」

と、かなり焦りました。

でも、そこから夏休みを過ごす中で、息子は少しずつ変わっていきました。

この記事では、

  • なぜ1年生は夏休みに「化けた」ように見えるのか
  • 夏休みに家庭でどんな関わり方をすればいいのか
  • 親が焦りすぎず、子どもの「自分で考える力」を伸ばすにはどうすればいいのか

について、「教員」と「小学1年生の親」という2つの立場から、私自身の経験をもとにお話しします。

「もっと勉強させなきゃ」と焦る前に、ぜひ最後まで読んでみてください。

もしかすると、今「できていない」と思っていることの中に、これから伸びていく芽が見えてくるかもしれません。


「1年生はね、夏休みに化けるんだよ」

初めて小学1年生の担任を持ったときのことです。

夏休みが近づくにつれ、私の心の中は焦りと不安でいっぱいでした。

「文のまとまりで音読ができず、一文字ずつたどたどしく追う子が多い……」

「算数の文章題になると、何を足せばいいのか分からず、手が止まってしまう……」

1学期の終わりに差し掛かっても、なかなか学んだことが定着してこない子どもたちの姿を見て、

「自分の教え方がよくないのだろうか」

と、自分を責める日々。

そんなある日、職員室でベテランの先生が優しく声をかけてくれました。

「大丈夫だよ。1年生はね、夏休みに化けるんだよ」

その言葉を聞いたときは、正直、半信半疑でした。

本当に夏休みを過ごすだけで、そんなに変わるのだろうか。

そう思いながら迎えた9月。

教室に戻ってきた子どもたちは、驚くほどスラスラと音読をし、以前は苦戦していた文章題にも少しずつ向き合えるようになっていました。

「本当に化けた……!」

当時の私は、子どもたちの成長に驚きながらも、

「一体、夏休みの間に何が起きたんだろう?」

と不思議に思っていました。

その答えが少しずつ分かってきたのは、年月が経ち、私自身が小学1年生の親になってからでした。


夏休み初日、息子の宿題を開いて青ざめた日

我が子が小学1年生になり、迎えた夏休み。

「分からないところは教えてあげよう」

そんなふうに、少し余裕を持って息子の夏休みの宿題を開きました。

ところが――。

全然、定着していない……!

ひらがなを書かせれば、書き順がめちゃくちゃ。

たし算・ひき算をやらせれば、

「えーっと……」

と、指を使って何度も迷う。

文章を読ませれば、単語の途中で区切ってしまい、意味がうまくつながっていない。

「課題が多すぎる……。1学期、学校で何をしてきたんだっけ……?」

そんな不安が、一気に押し寄せてきました。

かつて担任として感じていた「この子、大丈夫かな」という不安を、今度は親として自分の息子に感じたのです。


まずは、隣に座って一緒にやってみた

そこで、

「ちゃんと教えなきゃ」

と意気込むのではなく、まずは毎日少しずつ息子の宿題に付き合ってみることにしました。

隣で一緒に問題を読む。

分からなそうにしていたら、

「どういうことかな?」

と声をかける。

自分で考えているときは、すぐに答えを教えずに待つ。

そして、できたことがあれば、

「今の、自分で分かったね」

と伝える。

そんな時間を少しずつ重ねていきました。

すると、少しずつ変化が見えてきました。

怪しかったひらがなの書き順が、いつの間にかスムーズになっている。

たし算・ひき算も、指を使って何度も確認していたのが、少しずつ頭の中で考えられるようになっている。

そして、音読も、一文字ずつ追っていたのが、少しずつ言葉のまとまりで読めるようになっていきました。

もちろん、一日で劇的に変わったわけではありません。

「昨日より少しできた」

「今日はここまでできた」

という小さな変化の積み重ねです。

でも、夏休みの終盤には、さらに驚くことがありました。

あんなに苦手意識を持っていた算数の文章題を、

自分で文章を読んで、意味を考え、式を立てて、答えを出せるようになっていたのです。

「できるようになったなぁ……」

親として、素直にうれしくなりました。


なぜ、1年生は夏休みに「化けた」ように見えるのか?

息子の変化を目の当たりにして、私は、かつてベテランの先生から言われた、

「1年生は夏休みに化ける」

という言葉の意味を、少し理解できた気がしました。

もちろん、夏休みを過ごせば、すべての子どもの学力が一気に伸びるわけではありません。

また、家庭で親が付きっきりで勉強を教えればいい、という話でもありません。

私が息子との夏休みを過ごして感じたのは、

夏休みは、子どもが自分のペースで学び直す時間をつくりやすい

ということでした。

学校では、先生がクラス全体に向けて説明をします。

子どもたちは、友達と一緒に学びながら、同じ時間の中で授業を進めていきます。

もちろん、先生たちは一人ひとりの様子を見ながら声をかけています。

それでも、1人の先生が、すべての子どもに対して、常に1対1で付き添うことはできません。

一方、家庭では、

「ここが分からない」

「もう一回やってみたい」

というところで、立ち止まることができます。

昨日できなかった問題を、今日もう一度やってみることもできます。

読むのが苦手なら、ゆっくり読んでみる。

計算で迷うなら、具体物を使って考えてみる。

書き順が怪しいなら、一文字ずつ確認してみる。

その子のペースで、もう一度やってみる。

その積み重ねが、1学期にはまだ「できる」ところまで届いていなかった学びを、少しずつ定着させていくのではないでしょうか。

だから私は、夏休みを終えた1年生が「化けた」ように見えるのだと思います。


家庭でサポートするときに大切にしたい2つのこと

とはいえ、ここで一つ注意したいことがあります。

「夏休みに伸ばさなきゃ!」

と親が焦りすぎると、子どもにとっては苦しい時間になってしまいます。

私自身、息子の宿題を見て焦ったからこそ、次の2つは意識するようにしました。

① 無理にやらせない

子どもが疲れているときや、どうしても気分が乗らないときに、

「宿題やりなさい!」

と無理やり机に向かわせても、なかなか学びにはつながりません。

まずは、

「ちょっと休んでからやろうか」

「今日はどれからやってみる?」

と、子どもが取り組みやすい状態をつくる。

夏休みは長いので、毎日完璧にやることよりも、無理なく続けられることの方が大切だと思います。

ちなみに我が家では、「デジタル機器はやることやってからルール」を徹底しました。デジタル機器はゲームや動画のことですね。

家ではチャレンジ1年生のタブレット学習を導入していますので、それと宿題をやらねばデジタル機器は使ってはならないにしました。

逆にいうと、デジタル機器を使わないのであれば、やることをやらなくてもいいということです。実際にそういう日もありました。

そこは息子の選択です。だから、自分の意志でやると決めてくることがみそなんです。

まぁ、ここはご家庭に合ったやり方を模索してみるといいですね。


② 最初から全部教えない

もう一つ大切にしたのが、

「すぐに答えを教えない」

ということです。

分からない問題を見ると、つい、

「これはこうだよ」

と教えたくなります。

でも、テストを受けるときに親は隣にいません。

だからこそ、まずは自分で考える時間をつくる。

それでも難しければ、一緒に考える。

そんな順番を意識しました。

例えば、

「まず5分、自分でやってみよう。そのあと、分からないところを一緒にやろう」

と声をかける。

すると、

自分で考える時間 と 困ったときに助けてもらえる安心感

の両方をつくることができます。

親が全部教えるのではなく、子どもが自分で考えるための伴走者になる。

それくらいの距離感が、1年生にはちょうどいいのかもしれません。


「うちの子、大丈夫かな」と焦っているあなたへ

夏休みが始まり、我が子の宿題を見て、

「こんなにできていないの?」

と焦っているお父さん、お母さん。

少しだけ、肩の力を抜いて大丈夫です。

1学期の段階で、まだうまくできないことがあったとしても、それだけで「この子は勉強が苦手だ」と決めつける必要はありません。

子どもによって、学びが定着する速さは違います。

学校で一度学んだことが、すぐにできるようになる子もいれば、時間をかけて少しずつ身につけていく子もいます。

そして、夏休みは学校とは違う環境の中で、子どもが自分のペースで学び直すことができる貴重な時間です。

だから、

「もっと勉強させなきゃ」と焦るより、

「どこでつまずいているのかな?」
「どうしたら自分で考えられそうかな?」と、一緒に見てあげる。

分からないときには、少し手を貸す。

できるようになったときには、一緒に喜ぶ。

それだけでも、子どもにとっては大きな支えになると思います。


「1年生は、夏休みに化ける。」

1学期の終わり、私は担任として子どもたちを見ながら、

「このままで大丈夫かな」

と焦っていました。

でも、夏休みを終えた子どもたちは、私が思っていた以上に成長して教室に戻ってきました。

そして今度は、親として息子の夏休みを過ごしてみて、その意味が少し分かった気がします。

夏休みは、魔法の期間ではありません。

親が勉強を教え込めば、必ず学力が伸びるわけでもありません。

でも、

子どもが自分のペースで、できなかったことにもう一度挑戦できる時間。

そして、

困ったときに、安心して「分からない」と言える時間。

そんな時間が積み重なることで、1学期には見えなかった成長が、ある日ふっと見えてくることがあります。

それを、私は「化ける」と呼ぶのかもしれないと思っています。

もし今、「うちの子、大丈夫かな……」

と焦っているなら、少しだけ待ってみてください。

できなかったことの中に、まだ見えていない「伸びる芽」があるかもしれません。

1年生は、夏休みに化ける。

かつてベテランの先生からもらったこの言葉を、今度は親になった自分から、同じように不安を抱えているお父さん、お母さんに贈りたいと思います。